こんにちは!50代主婦兼在宅ワーカーのよりこです。漫画が大好きで時々大人買いしています。
今日は、私たち世代の心に深く響く、今話題の衝撃作『先生の白い嘘』の魅力をご紹介します。
売れてる漫画はだいたい読んでいるけど、この作品は敬遠していたわ。男子高校生と女教師の恋愛モノかと勝手に思って。でも全然違った! もちろんその要素もあるんだけど、テーマはそこじゃないの。
教師と生徒の恋愛ものは、いつの時代も賛否があります。その中でも、『中学聖日記』のように女教師と十歳年下の中学生の物語は、「設定が受け入れがたい」と非難した母親も多かったとか。しかしこの『先生と白い嘘』は、単なる恋愛ドラマでははい、性における男女の不条理という、普遍的な性の問題を深く、驚くほど深く、掘り下げた物語です。
『先生の白い嘘』漫画情報
- タイトル: 『先生の白い嘘』
- 作者: 鳥飼茜
- ジャンル: ドラマ、恋愛、青年漫画
- 連載誌: 月刊モーニング・ツー(講談社)
- 連載期間: 2013年10月号 – 2017年11月号
- 単行本: 全8巻(講談社 モーニングKC)
- 電子書籍: 各電子書籍ストアで配信中
『先生の白い嘘』あらすじ
主人公は、24歳の高校教師・原美鈴。長い黒髪をひっつめにし、メガネをかけ、化粧っ気はゼロ。祖母の残してくれた古い日本家屋に独りで住んでいる。目立たず日々を淡々と生きている彼女は、親友・美奈子の婚約者・早藤雅巳との関係で深い傷を負っていた。
美鈴は自身の存在に自信を持てず、思春期からのコンプレックスも引きずっていたが、高校教師という立場は彼女に揺るぎのない優越感を与え、生徒たちを下に見ることで、心の平穏を保っていた。
美鈴はスクールカーストの上位にいるような女生徒が昔から苦手だったんだけど、教師の立場を得てから、彼女たちより高い場所に立つことができて、変に萎縮しないですむようになったの。そのあたりの心理描写がとても細かくて、感心させられるわ。
美鈴はかつて、美奈子の恋人、早藤にレイプをされた。それ以来、呼び出されれば応じ、ずるずると肉体関係を続けている。最初に徹底的に性を搾取され、自尊心を破壊されたために、性における男女の不条理に苦しみ、自分の中の女の部分と向き合えなくなっていたのだ。
早藤は母親が父親にDVを受けていた家庭で育ち、女性に対して歪んだ性的志向があった。美鈴以外にも合コンで知り合った女性を初対面でレイプし、自分に隷属させるような関係を続けていた。
美鈴の親友・美奈子は、高校時代から美鈴を都合よく扱い、見栄っ張りで虚言癖がある。しかしその美奈子の幸せアピールも、早藤と肉体関係がある美鈴の目には滑稽なものに映り、必要以上に彼女に劣等感を抱かずにすむようになっていた。美鈴は早藤を嫌悪し、早藤の要求に応じてしまう自分をそれ以上に嫌悪しながらも、なお、学校や美奈子の前では地味で面白みのない女の仮面を被り続ける。
そんな中、美鈴は担当クラスの男子生徒・新妻祐希から性に関する悩みを打ち明けられる。新妻の純粋な心に触れ、美鈴は思わず、自分でも意識していなかった性の本音を漏らしてしまう。新妻は、そんな美鈴に惹かれ、彼女との関係を求めるようになる。
美鈴は、早藤との関係と新妻への想いとの間で激しく葛藤する。レイプの後遺症、抑圧された感情、そして倫理観との闘い。彼女は、自分自身の心の奥底にある闇と向き合い、本当の自分を確立するために、苦しい選択を迫られていく―――。
『先生の白い嘘』映画情報
- 公開日: 2024年7月5日
- 監督: 三木康一郎
- 脚本: 向井康介
- 出演: 奈緒、風間俊介、永山絢斗、伊藤沙莉、岩田剛典、高良健吾、松山ケンイチ 他
映画は、原作の持つ人間の弱さや葛藤をリアルに描き出し、観る者の心を揺さぶります。特に、主人公・美鈴を演じる奈緒さんの繊細な演技は必見です。
映画『先生の白い嘘』公式HPより
50代女性の心に刺さる3つの理由
- 過去に味わった人間関係の痛みと再生: 美鈴の過去と現在を交錯させるストーリー展開は、若い頃の人間関係の痛みを思い出させると同時に、それを乗り越えていく強さを教えてくれます。「美鈴の苦しみに共感し、昔の痛みを思い出しました。私も美鈴のように、思っていることを上手に人に伝えられず、人間関係で傷ついた過去があります」(53歳・主婦)
- 性に対する複雑な感情への共感: 作品は、性に対する様々な感情を繊細に描いています。美鈴は、早藤との関係において、嫌悪感、羞恥心、そして同時に抗えない欲望を感じています。こうした矛盾した感情は、多くの女性が経験するものであり、深く共感できます。「美鈴の葛藤を見て、性に対する自分の曖昧な感情を思い出しました。誰にも言えない悩みを抱えている人に、ぜひ読んでほしいです。」(50歳・会社員)
- 年齢を重ねたからこそわかる感情の機微: 鳥飼茜さんの繊細な筆致は、登場人物たちの心の動きをリアルに描き出します。50代という年齢だからこそ、美鈴の抱える孤独や不安、そして再生への願いを深く理解し、共感できるのではないでしょうか。「若い頃はわからなかった感情の動きが、今なら痛いほどわかります。鳥飼さんの描写力に脱帽です。」(55歳・主婦)
50代の女性が体験し、感じてきた、恋愛や性や人間関係のさまざまな問題について、言語化と可視化がなされた作品ね。作中に胸を衝くシーンがいくつもあるわ。
まとめ
「先生の白い嘘」は、単なる恋愛漫画ではありません。それは、私たちが生きていく上で避けては通れない「性」や「愛」の問題に真正面から向き合った、深く考えさせられる作品です。50代という年齢を迎え、人生経験を積んだ今だからこそ、この作品から得られるものは大きいはずです。
映画も公開中ですし、ぜひこの機会に漫画を読んで、そして映画も観て、美鈴の生き様から何かを感じ取ってみてください。きっと、あなたの中に眠っていた感情が呼び覚まされるはずです。
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